今回は北海道産の大豆「とよまさり」についてです。
大豆は発酵食品に深い関わりがあり、とよまさりは豆腐、味噌、納豆などの材料としてよく使われています。
この記事をお読みの方も一度は使われたことがあるのではないでしょうか。私も味噌用作りによく使っています。
実はこの「とよまさり」、品種名ではないのです。
「とよまさり」は複数の大豆品種をまとめた呼び方
とよまさりは、北海道産の複数の大豆品種をまとめた「産地品種銘柄」と呼ばれるものです。
産地品種銘柄とは
産地品種銘柄とは、農林水産省が定めた、特定の産地で栽培される農産物のブランドです。
産地品種銘柄に指定されると、産地と品種名を表示することが可能になります。
「とよまさり」よりも「北海道産とよまさり」で大豆を売り出すことで、北海道産大豆の高品質なイメージを伝えるブランドとして確立ができます。
大豆以外にも、米や小麦粉なども産地品種銘柄として販売されており、代表的な例としては米では「新潟県産コシヒカリ」、小麦粉では「北海道産春よ恋」などがあります。
とよまさりの構成品種
とよまさりは、7つの品種から構成されています。(2024年3月時点)
- トヨコマチ
- トヨハルカ
- トヨホマレ
- とよまどか
- とよみづき
- トヨムスメ
- ユキホマレ(ユキホマレRを含む)
(品種群は毎年見直されるため品種数は増減することがあります)
これらの品種は形質が非常に似ており、品種間の差別化が難しいことから、「とよまさり」という品種群としてまとめて扱われています。
産地品種銘柄における品種群
銘柄は、単一品種による設定が基本ですが、形質が酷以しており品種間の差別化が難しく、品種間の品質の評価に差がなく、取引上で同一銘柄とすることについて、取引関係者の合意が形成されるものについて、複数の品種を同一銘柄として取り扱うことができるとしています。
出所:農林水産省 農産物検査を行う産地品種銘柄の取扱い
したがって、タイトル中の「ユキホマレ」と「とよまさり」の違いは?という問いに対しては、ユキホマレはとよまさりの一部であり、独立して比較できるものでは無いということになります。
ユキホマレはとよまさりの中で最も多く作られている品種
ちなみに、とよまさりの中でユキホマレが最も作付面積が多いです。
「とよまさり」として販売されていることも多い
個別の品種名を掲載せず「とよまさり」として販売されていることも多く、この場合は大体はユキホマレだと思われますが、品種の詳細はわかりません。