こんにちは。まーちゃんです。
味噌作りに欠かせない大豆は、様々な品種がありそれぞれ特性が異なります。
品種の違いがよく分からないという方が多いかと思いますので、ここでは味噌に適した大豆を取り上げてみました。
あまり大豆にこだわってこなかった方も、色々な品種を試してみるのも面白いですよ。
好きな大豆を選べるのが手作り味噌の良いところですね
味噌に適した大豆の条件
味噌作りに適した大豆の条件は次の通りです。
- 国産大豆
- 粒が大きいこと(千粒で250g以上)
- 皮が薄いこと
- 大豆の臍(へそ)が淡色であること(臍は大豆の目ともいう)
- 吸水能力が高いこと
- 蒸煮(蒸したり煮たり)すると簡単に柔らかくなりやすいこと
- 蒸煮大豆の色が淡いこと(特に白みそや淡色味噌に大事)
- 香りや味が良くて柔らかく、パサパサ感がないこと
- 炭水化物が多いものが多いこと
参考書籍:「味噌・醤油入門(日本食糧新聞社)」
とくに炭水化物が多いということは、糖分を多く含むことを意味するため、味噌の塩辛さとの調和がとれやすく、美味しい味噌が作られやすくなります。
農林水産省の資料に具体的な大豆の品種が載っている
農林水産省の資料に、具体的な大豆の品種が載っていたのでまとめてみました。
◎(主に味噌用で使われる品種) | 〇(味噌作りに「適」以上の評価) |
---|---|
あきまろ キタムスメ ことゆたか ことゆたかA1号 シュウレイ すずみのり タマホマレ トヨハルカ ハヤヒカリ ミヤギシロメ ゆきぴりか | エンレイ えんれいのそら オオツル ギンレイ こがねさやか サチユタカA1号 里のほほえみ シュウリュウ つぶほまれ とよまどか(十育258号) とよみづき ナカセンナリ はつさやか ユキホマレ ユキホマレR リョウユウ(東北190号) |
※赤字はインターネットで購入可能な大豆
意外に新品種が多く、流通量が少ないためかネット販売している大豆の種類は少なめです。
ちなみに新大豆は11月、12月頃から出回ることが多いです。
味噌作りにおすすめの大豆
とよまさり(トヨハルカ・とよまどか・とよみづき・ユキホマレを含む)
とよまさりは北海道で生産され、国産大豆の中では最も多く使われています。
出所:国産大豆の生産・需要をめぐる動向 令和4年12月 農林水産省 農産局 穀物課業界ごとの国産大豆の使用品種内訳
「とよまさり」は入手しやすく味のレベルも高いです。迷ったらコレ
ちなみに、とよまさりは品種名ではなく、複数の品種を一つの品種群として登録した産地品種銘柄と呼ばれるもので、トヨコマチ・トヨハルカ・トヨホマレ・とよまどか・とよみづき・トヨムスメ・ユキホマレを総称したものです(2024年時点)。
ユキホマレ
とよまさりの大部分(8割位)はユキホマレが占めています。
白目中粒でとよまさり銘柄の基幹品種です。
「とよまさり」として販売されていることも
個別の品種名ではなく「とよまさり」として販売されることも多いです。
大体はユキホマレだと思いますが品種の詳細はわかりません。
ミヤギシロメ
・東北で生産
・今回紹介している大豆の中で最大級(百粒重が40g以上)。臍が白い。
・皮の色が黄白で外観が優れている
ミヤギシロメで作ってみたところ、とてもおいしい味噌ができましたよ
エンレイ
・中国地方から関東地方まで広い場所で作られる
・蛋白質含有率が高い
・ 淡色味噌、赤味噌のどちらにも向いている
里のほほえみ
・東北南部、関東、東海、北陸で作られる
・外観品質は「エンレイ」や「スズユタカ」より良好な「上の下」
・粗蛋白質含有率は「エンレイ」並の高、粗脂肪含有率は「中」
・味噌や煮豆等の加工適性も「適」
ことゆたか
・主に近畿地方で作られる
・粗蛋白質含有率が高め
・赤味噌に適する
大豆のほとんどは外国産
現在、日本国内で使われる大豆の90%超はアメリカ、カナダ、ブラジルなどからの輸入に頼っています。
国内で発展してきた味噌は日本産の方が味が良く適しているのですが、需要に対して生産量が全然足りておらず、輸入に頼らざるをえません。
農林水産省の資料によると自給率は約7%で推移しています。
大豆の約7割が油糧(マヨネーズやマーガリン、食用油)として利用され、ほぼ外国産です。
残りの約3割が、豆腐、煮豆、納豆、味噌などの食用大豆として利用されています。
食用大豆のうち、味噌に限ると国産大豆は10%、つまり90%は外国産の大豆から作られていることになります。
最近は国を挙げて国産大豆の自給率を上げようとし、作付け面積は広がっているもののまだまだ輸入に頼らざるを得ません。
手作り味噌は材料を自分で選べるのが強みです。
国産はもちろん、品種にもこだわって作りましょう。