手作り米麹におすすめの米

米は品種によって性質がかなり違います。

この記事では、米麹をご家庭で作る際に適した米を紹介しています。ぜひ参考にしてみてください。

米麹の作り方についてはこちらの記事をご覧ください↓

目次

蒸した後、表面が硬く中が柔らかい米が理想

米麹作りに適した米の条件は次の2点です。

  • 麹菌が増えやすい
  • 人間が扱いやすい

そしてこの2つの条件に合う米は、蒸した後の状態が表面の粘り気が少なく、程よいかたさの米です。

外硬内軟(がいこうないなん)ともいいます。

表面の粘り気が少ないと米同士がくっつかずにばらけやすく、均等に種麹が米表面に付着して麹菌が増えることができます。

ばらけやすいため人間側にとっても混ぜやすくなります。

さらに中が柔らかいため種麹の繁殖に必要な水分を十分に保っていることになります。

米麹には、うるち米を精米したものを使用します。麹を作りやすいのは、粘りの少ない米です。粘りのある米は、蒸した後のほぐれが悪く、ほぐす作業に苦労します。団子状になると麹菌のまわり(繁殖)が悪くなり、良い麹になりにくくなります。

JA埼玉中央のホームページより

おすすめの米(特別栽培米・有機栽培米)

米麹作りに適している米は、後で説明する食味チャートの「あっさり」に該当するものです。

その中から、農薬を減らして基準で作られている特別栽培米・有機栽培米を並べてみました。
なお有機栽培米が最も厳しい基準で作られています。
(参照:有機栽培米(オーガニック米)・特別栽培米・無農薬栽培米の違いとは。「無農薬」表示はNG?

①ササニシキ

1990年頃までは、コシヒカリと肩を並べる人気米でしたが、農家にとって栽培が少し難しく今は主に宮城県の一部で栽培されています。

私は小さい頃良く口にしていたのですが、今では幻の米の言われています。

コシヒカリと比べると、粘り気が少くあっさりしていることから高級寿司屋で採用されることが多いようです。

米麹を作ってみたところ写真の通り問題なく作ることができました。

米麹
ササニシキで作った生米麹

特別栽培米

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有機栽培米(オーガニック米)

【白米】

ササニシキ有機栽培米の白米はこちらのショップだけしか見つけられませんでした。

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②はつしも

主に岐阜県で栽培されている大粒の米です。
粘りが少ないため、米麹作りに適していると考えられます。

「東のササニシキ」に対し「西のハツシモ」と言われるほど、寿司米として人気があります。

実際に食べてみたところ、大粒で粘りが少なくあっさりしながらも甘くておいしかったです。たしかにササニシキと似た食感でした。

もちろん米麹作りも問題なくできました。

ハツシモで作った生米麴の写真
ハツシモで作った生米麴

“東のササニシキ”“西のハツシモ”といわれるほど東海・関西エリアでは寿司米として人気があります。全国でも1、2位を争うほど粒が大きく、やや硬く弾力性があり、吸水性が少ないので、寿司米にしてもべたつきません。東海や関西では、コシヒカリと並ぶほど、評価が高いです。ご飯の見栄えや歯ごたえのある食感が素晴らしく、卓越した食味には定評があります。

JAグループ ハツシモ より

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有機栽培米…ネット販売なし

生産量が少なく有機栽培米は一部のふるさと納税などでしか手に入れられないようです。

③まっしぐら

青森県で開発され平成18年にデビューした米です。
適度な弾力があり粘り気が少なく、あっさりとした味わいが特徴です。

「まっしぐら」の特徴として、適度な弾力と粘り気が少ないというものがあります。この粘り気の少なさはさっぱりとした状態と固めの食感です。炊き上がりのツヤは非常によく、粒がそろっているきれいなお米です。

マイナビ農業 【ふるさと納税】青森県のブランド米『まっしぐら』おすすめ5選 より

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有機栽培米…ネット販売なし

まっしぐらの有機栽培米は見つけられませんでした。

米を選ぶのに役立つ情報

米を選ぶ時に参考になる情報として食味チャートとアミロース含量があります。

食味チャート

食味チャートとは、お米マイスターと呼ばれる人やお米屋さんが作った、米の味や特徴の分布図のことです。

人の感覚で作るものなので、作った人が違うとチャート間でばらつきはありますが、米の傾向を知ることができます。

たとえばこちらは、食味チャートの作成で有名な西島さんという方が作ったものです。

キッコーマン公式ホームページより

粘り気が少ない米は、赤枠で囲った「あっさり」エリアの米です。

逆に、美味しい米で有名なコシヒカリのように右上にある米は粘りが大きいため、米麹作りにはあまり適していません。

アミロース含量

アミロース含量の割合が多い米が「粘りにくい米」です。

米には約70%のデンプンが含まれており、デンプンはアミロースとアミロペクチンの2種類からできています。

アミロースは粘らないのに対しアミロペクチンは粘る性質があります。
ちなみに、もち米はアミロペクチン100%です。

日本の米のアミロース含量は一般的に15-20%位で、品種や生育温度によって異なります。

「ササニシキ」「はつしも」のようなあっさり系の米はアミロースの割合が多く粘りが弱いです。

逆に、「コシヒカリ」や「ゆめぴりか」のようなもっちり系はアミロースの割合が少なく粘りが強いです。

粘りがとても強いお餅の原料になるもち米のデンプンは、全てアミロペクチンからなりアミロースの割合は0%です。一方で日本の一般的なうるち米のデンプンは、コシヒカリやひとめぼれなどの品種がアミロースが17%程度なのに対して、ササニシキは20%~23%含まれているといわれます。

山形味の農園より

アミロース含量が表示されて紹介されることは少ないですが、もし表示されていたら粘りの参考にできます。

まとめ

  • 米麹作りに適した米は、蒸した後の状態が表面の粘り気が少なく、程よいかたさの米が理想
  • 食味チャートでは「あっさり」に該当
  • アミロースの割合が多くアミロペクチンが少ない米が粘りにくい
  • 品種は「ササニシキ」「はつしも」「まっしぐら」がおすすめ

自家製米麹を作るのでしたら米選びからこだわりたいですね。

ところで無農薬米というのを見かけることはありませんか。実はそのような表記は禁止されているんです。

こちらの記事で有機栽培米・特別栽培米・無農薬栽培米などについてまとめましたので、ぜひ読んでみてください。

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