(本記事は2024年7月時点のものです。今後の法律改正により内容がそぐわなくなる可能性があります)
こんにちは。まーちゃんです。
今回は、米味噌の材料の一つ「米」についてです。
なるべくなら農薬を使わない米を使いたいと思い、農薬と米との関係について調べてみました。
JAS法では「有機栽培米」「特別栽培米」の2つだけ
国から認められている表示は「有機栽培」と「特別栽培」の2つだけです。
JAS法という法律によって決められています。
JAS法
国内で流通する食品の品質にばらつきが生じないようにするため、農林水産省によって国家規格が定められています。
これをJAS法(日本農林規格等に関する法律)と言います。
JAS(Japanese Agricultural Standards):日本農林規格
そして具体的な内容が、有機栽培米は「有機農産物の日本農林規格」に、特別栽培米は「特別栽培農産物に係る表示ガイドライン」に記載されています。
最も基準が厳しい有機栽培米(オーガニック米)
有機栽培米とは「有機農産物の日本農林規格」の基準に従い、2年以上、原則として農薬や化学肥料以外は使用せずに生産された米のことです。最も厳しい基準です。
- 堆肥等による土作りを行い、植付け前2年以上及び栽培中に、原則として化学的肥料及び農薬は使用しないこと
- 遺伝子組換え種苗は使用しないこと
- 周辺から使用禁止資材が飛来し又は流入しないように必要な措置を講じていること
参照元:有機食品の検査認証制度について
「原則として」と書かれているのは、農産物に重大な損害が生ずる危険が急迫している場合に下記の農薬の使用が許可されているためです。ただし自然界に由来するものばかりで比較的、環境や人体に悪影響の少ないものです。
次に基準が厳しい特別栽培米
特別栽培米は、節減対象農薬の使用回数と化学肥料の窒素成分量を、生産地域の慣行レベルに比べて、それぞれ5割以下に抑えて作った米のことです。有機栽培米よりも基準が低めです。
特別栽培農産物に係る表示ガイドラインパンフレット
節減対象農薬とは、化学合成農薬のうち使用しても良いとされる農薬(有機農産物の日本農林規格 別表2)を除いたものです。
地域の慣行レベルとは過去から習慣的に実施されている回数ことで、地方公共団体(地方自治体)ごとに数値が決められています。
一般的に農薬使用回数は20回前後、化学肥料は10回弱のところが多いようです。
参考:特別栽培農産物に係る表示ガイドラインに基づき地方公共団体が定めた慣行レベル等(令和4年10月現在)(PDF : 75KB)
「有機」「オーガニック」を表示するためには認証を受ける必要がある
有機栽培米は有機JASマークが付けられる
「有機農産物の日本農林規格」の基準に従って生産し有機農産物として認証を受けると有機JASマークを付けて「有機栽培米」と表示することができます。「有機米」「オーガニック米」のように表示することも可能です。
このマークが無ければ「有機」「オーガニック」は使うことができません。
「無農薬」「減農薬」「無化学肥料」「減化学肥料」の表記は禁止されている
「無農薬栽培」の表示は見かけたことはありませんか?
無農薬栽培と言っても、隣の畑で農薬を使っていたら飛散してくるのは十分考えられ実質無農薬ではありません。
「特別栽培」と「有機(オーガニック)」はしっかりとした基準があるのですが、これら以外の名称は定義があいまいで消費者を誤解させることにつながるため、「特別栽培」と「有機(オーガニック)」以外の使用は禁止されています。
そのため「減農薬」「無化学肥料」「減化学肥料」などの表記も禁止されています。
まとめ
極力農薬使用をせず育てられた米を使いたい方は有機JASマークの付いた「有機栽培米(オーガニック米)」が良いです。その分高価です。
一般的な米よりも農薬使用を減らしたものを使いたい方は「特別栽培米」が良いです。有機栽培米よりもリーズナブルです。
有機栽培米 | 特別栽培米 | 一般の米 | |
---|---|---|---|
農薬・化学肥料 | 原則2年以上不使用 | 慣行レベルの50%以下 | 慣行レベル |
価格 | 高い | やや高め | 普通 |
例:魚沼産コシヒカリ5㎏の値段 | 6,500円 | 5,500円 | 3,500円 |