500gの生米麹の作り方

味噌は作れるようになったから米麹も家で作ってみたいな

温度管理と時間管理さえ注意すれば、作業自体は単純です。

ここでは、私が勉強&失敗を繰り返しながら、家でも簡単に作れる米麹の作り方をまとめています。

目次

タイムスケジュール

米麹作りの工程は大きく2つに分かれ、それぞれ次の時間がかかります。

①米の浸水~蒸し:4時間~半日
②発酵(途中で3回ほど混ぜる):2日間

少なくとも2日半位は必要です。

必要な材料と道具

ここでは500gの生米麹を作るために必要な分量を載せています。

生米の重さの約1.2倍の米麹が作れるため、生米420g(3号弱)で約500gができる計算です。

材料

材料費は市販品の生麹を購入するよりも1/3以下ですみます。

  • 米 420g(3号弱) 粘りの少ないあっさり系がおすすめ
  • 種麹 0.4g~1.2g(生米の0.1~0.3%) 慣れないうちは多めの方が失敗しにくい
おすすめの材料

<米>
・ササニシキ(特別栽培米)

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<種麹>

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道具

  • 蒸し器  鍋+ステンレスざるでも可
  • 蒸し布 がおすすめ
  • 電気毛布 夏場以外は必須
  • 温度計 デジタルが見やすい
  • しゃもじ
  • ざる付きボウル
  • 浅くて広いタッパー

⑤⑥⑦は100均で買えます

作業の流れ

①米を洗って浸水させる(浸漬)

水が濁らなくなるまで米を洗い、2時間以上水に浸します

前日の夜に始めると翌朝すぐ作業の続きが可能です。夏場に一晩置くときは痛む可能性があるため冷蔵庫で保管します。

ちなみに2時間程度で米の吸水は飽和状態となるそうです。

お米は浸水してから2時間ほどでほぼ100%の水を吸った状態となり、それ以上浸けても吸水しません。

クラシルより

吸水されたかは米を見て判断します。
十分に吸水した米は見た目は全体が白く、下のように指ですりつぶすと細かい粉になります。

すりつぶしたときに、透明な部分が残っていたり、細かな粉にならなかったりしたらもう少し浸水します。

②水を切る

ザルにあげて30分以上水切りします。

③米を蒸す

水にぬらして固く絞った蒸し布に米を包み、蒸し器に入れ蓋をし、約40分程米を弱中火で蒸します

蒸し布を濡らすと米が蒸し布にくっつきにくいです

あまり蒸し器ぎりぎりまで水を入れないようにします。入れすぎると底の米がふやけやすくなります。

逆に水が少なすぎると蒸している間に水が無くなり空炊きになることもあるため、注意が必要です。

私は水300ml位を入れています。

蒸しあがったら、指で米をひねりつぶしてみて芯が残っていなければできあがりです。まだ芯があればさらに追加で蒸します。

ひねりもち

蒸しあがった米は固めのパラパラのご飯です。

米を蒸し布からボウルに移し換えます。

蒸し器の底側の米がふやけていることが結構あるため、この時に取り除いておくと硬さのばらつきの少ない米麹ができます。

できれば圧力鍋がおすすめ

米を蒸すのは圧力鍋の方がおすすめです。

空焚きの心配が少なく、早く均等にむしあがるからです。

なお圧力鍋で米を蒸す場合は低圧で蒸す必要があります。
圧力が強すぎると粘り気が出て変色してしまうためです。

10分加圧して火を止めて圧力が抜けたら完成です。

私は圧力鍋にしてから失敗することがほとんどなくなりました

ちなみに我が家では10年近くゼロ活力なべ(スリム4L)を使っています。
家庭用圧力鍋として世界最高クラスの圧力のため、通常の圧力鍋よりも色々な料理が時短調理可能です。

活力なべは、上に乗せるおもりの色で簡単に使い分けできるので圧力調整を間違えることがありません。

④種麹をまぶす(種切り)

蒸した米を40℃位まで冷まします。米が熱すぎると麹菌が死んでしまう可能性があるためです。

その後、種麹を振りかけよく混ぜあわせます。種切りと言います。

茶こしを使うとまんべんなく振りかけることができますが、茶こしがなくても可能です。

しゃもじ等で種麹が米全体にいきわたるように十分混ぜ合わせます。

⑤容器に入れて発酵(保温)

深さ3㎝程度の広めのタッパーに入れ、乾燥を防ぐためにキッチンペーパーや蒸し布をかぶせ、その上からふたを乗せます。

麹菌は空気を好むためフタは閉めずに乗せておくのがポイントです。

その後、電気毛布に包み、温度計をセットし保温します。

温度は30~35℃位になるように保ちます。

⑥1回目の混ぜ 種切から12時間後

米の表面に麹の白い菌糸がまばらに付いてるのが確認できます。

酸素を供給するために米を混ぜます。こうすることで発酵が均一に進みます。

混ぜ終わったら米を平らにならし、蒸し布をかけ、フタを乗せます。

電気毛布に包んで温度計をセットし、さらに6時間程ほど保温します。

温度は35℃前後を保ちます。

⑦2回目の混ぜ 種切から24時間後

順調に発酵が進んでいると、米の表面が白く菌糸で覆われ、栗のような甘い香りが漂ってきます。

米同士を手でほぐしてバラバラにし、空気と触れさせます。再度タッパーにセットし、電気毛布でくるみます。

温度は35℃前後を保ちます。

もし温度計が40℃を超えているようであれば、発酵が進みすぎる可能性があるので電気毛布の温度を下げておきます。逆に30℃弱と低ければ温度を少し上げます。

⑧3回目の混ぜ 種切から36時間後

ここまでくると菌糸がかなり成長しています。

3回目の混ぜが手を加える最後の工程になります。

この段階では麹が活発に活動しているため高めの温度になりやすいです。

温度は38℃前後が目安で、温度が43℃を超すようなら電気毛布の温度を下げます。

⑨できあがり(出麹) 種切から48時間後

菌糸がまんべんなく行きわたっていれば完成です。

米麹

様子を見ながらもう少し追加で発酵させても大丈夫です。

ただし、黄色い麹の花が咲いてしまっていたら、もうタッパーから出して温度を下げて発酵をストップします。
色が付いた麹はやや独特の風味があるため味噌の味に影響することがあるためです。

生米麹の保管方法

保管方法は大きく3つあります。

①そのまま冷蔵庫で保管

発酵を進まないようにするために冷蔵庫に保管します。1週間は保存可能です。

冷凍庫では1か月が目安です。

②乾燥麹にする

出来上がった麹を手でほぐし、タッパーなどに広げ、ふたをせず2-3日ほど部屋に置いておきます。

手に付かないほど水分が飛んでパラパラになったら、タッパーやジップロックなどに入れて保管ができます。

室温で1か月程度、冷蔵庫で6か月、冷凍庫で1年は持ちます。

③塩切り麹にする

塩と麹を混ぜたものを塩切り麹と言います。

塩により麹の働きがストップし、雑菌の繁殖も抑えられるため常温で3か月程度は持ちます。

塩切り麹が長持ちする理由はこちら

味噌を作る時は塩を混ぜるので、先に塩切り麹を作っておくことも多いです。

ただし甘酒には利用できませんので注意が必要です。

参考書籍

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