発酵食品の資格について調べると「腸活」の資格も一緒に出てきます。
ここでは「腸活(ちょうかつ)」とは何か。発酵食品との関係も含めて簡単に解説します。
腸活とは?
腸活とは、腸に良い影響を与える活動のことです。
とくに腸の働きは腸内細菌(腸内フローラ)と深く関係しており、
「腸活=質の高い腸内フローラを作ること」
とも言えます。
腸活の目的
腸活の最終的な目的は、心身の健康を維持することです。
腸活によって腸内フローラを整えることは健康につながるからです。
腸活で得られる健康メリット
腸内環境を整えると次のようなメリットが得られます。
- 免疫力アップ
- 美容
- 心の安定
免疫力アップ
腸内環境が整うと体の免疫機能が向上します。
理由は、免疫の約70%が腸に集まっているからです(腸管免疫)。
腸にこれだけ免疫が集まっているのは、腸が口を通じて外界ともつながっており、常に病原体の脅威にさらされているためです。
よって腸の免疫を向上することは体全体の免疫力アップにつながります。
また、腸内には過剰な免疫反応を逆に抑える細胞も存在しており、花粉症のようなアレルギーや潰瘍性大腸炎といった自己免疫性疾患の発症抑制にも関係があるとされています。
美容
腸内環境を整えると、吹き出物や肌荒れ防止、肥満予防などが期待できます
- 吹き出物・肌荒れの防止…悪玉菌による有害物質の産生を減らす。便秘解消で吸収される時間を減らす。
- 肥満予防…善玉菌の中には細胞への脂肪の取り込みを抑えるものがある
心の安定
腸内環境が整うと、心の安定にもつながります。
脳と腸は深く関係しています。脳腸相関ともいいます。
たとえば、幸せ物質とよばれるセロトニンとその原料のほとんどが腸で作られています。
セロトニンの不足は、うつ病や不眠などと関係しているとされています。
腸活の種類
- 食事
- 運動
- マッサージ
腸活の具体的な方法に、食事、運動、マッサージがあります。
食事
食物繊維や発酵食品を積極的に取る方法がとても大切です。
腸内フローラに直接働きかけることができるからです。
運動・マッサージ
運動やマッサージによって腸が直接刺激され、便秘の解消につながります。
便秘が続くと、腸内フローラのバランスが崩れて悪玉菌が増加しやすくなり、吹き出物や肌荒れなどの原因となります。
便通を良くすることで、これらを改善することが可能です。
具体的な方法として、ウォーキングのような腰回りの筋肉を動かす運動や、「腸もみ」といってお腹の上から手でなでたりもんだりするマッサージがあります。
ただし次のような方は、腸マッサージは控えるか医師に相談が必要です
腸活の「腸」は大腸?小腸?
ちなみに、腸活でいう「腸」は主に回腸(小腸の後半部分)~大腸を指しています。
この部分は、食事やマッサージで私たちが直接働きかけることができる場所だからです。
腸内フローラが多く存在するのは回腸~大腸
腸内フローラのほとんどが、回腸~大腸にかけて存在します。回腸とは小腸の後半部分です。
腸には、数100兆個もの微生物が生息しているといわれ、その微生物群のことを腸内フローラとよばれます。総重量は約1.5㎏~2㎏ともいわれています。
腸内フローラは、善玉菌や悪玉菌、日和見菌が多く存在しており、腸活では食事によってこれらのバランスを整えることが重視されています。
まとめ
- 腸活は、質の高い腸内フローラを作ること
- 腸内環境が整うと多くの健康メリットがある
- 腸活には、食事や運動、マッサージがある
- 腸活では発酵食品や食物繊維で善玉菌を増やすことがとくに大切