発酵食品が体に良い3つの理由

「発酵食品は体に良い」とよく耳にしますが、どうのように「体に良い」のか調べてみました。

発酵食品には「菌」と「菌が作り出したもの」が含まれています。

これらが、大きく3つの良いことを私たちにもたらしてくれます。

目次

良いこと①:菌そのもの(善玉菌)

発酵食品には善玉菌が含まれていることが多いです。

善玉菌とは人間の体にとって良い働きをしてくれる菌のことです。良く知られている善玉菌は乳酸菌やビフィズス菌です。

これら生きた善玉菌を直接摂取することで、腸の働きを整えて便通を良くしたり免疫に関係してアレルギーを抑えたり様々な良いことをしてくれます。

善玉菌は乳酸や酢酸などを作り、腸内を酸性にすることによって、悪玉菌の増殖を抑えて腸の運動を活発にし、食中毒菌や病原菌による感染の予防や、発がん性をもつ腐敗産物の産生を抑制する腸内環境を作ります。また善玉菌は腸内でビタミン(B1・B2・B6・B12・K・ニコチン酸・葉酸)を産生します。さらに善玉菌の体を構成する物質には、体の免疫機能を高め、血清コレステロールを低下させる効果も報告されています。

e-ヘルスネットより

気をつける点は、食べ物から摂取する善玉菌は腸内で住み着くことはないと言われており、継続して摂取する必要があることです。

ちなみに、生きた善玉菌のことをプロバイオティクス(pro:前へ)、腸内に住み着いている善玉菌を元気にして増やしてくれるものをプレバイオティクス(pre:事前に)といいます。

発酵食品のような善玉菌を多く含む食品に加え、善玉菌を元気にするオリゴ糖や食物繊維も一緒に摂取することで、より善玉菌のを受けることができます。

オリゴ糖や食物繊維は、消化されずに腸まで届き、善玉菌の栄養になります(プレバイオティクス:参考2)。悪玉菌や日和見菌は、オリゴ糖や食物繊維を分解することができないため、善玉菌(特にビフィズス菌)だけを増やすことができます。オリゴ糖はハチミツ、果物、玉ねぎ、大豆などに多く、食物繊維は海藻、きのこ、野菜などに多く含まれます。オリゴ糖や食物繊維を含む食品を積極的に取り入れることで、自分の腸内の善玉菌を増やし、その働きを活発にすることができます。

   参考2:プレバイオティクスとは

腸内フローラの中で、宿主に有益な作用をもたらす有用菌だけに利用される難消化性物質を指します。代表的なプレバイオティクスとして、オリゴ糖や食物繊維などがあります。

大阪健康安全基盤研究所より

今はプロバイオティクス、プレバイオティクスどちらも含まれたサプリが出ているので、善玉菌が気になるけれども毎日続けるのが大変だという方は、このようなサプリも選択肢に入るのではないかと思います。

良いこと②:消化吸収されやすい状態になっている

発酵食品は、菌によって元の食品が分解されてできた食品です。

この分解には菌が作り出す酵素が関係しています。

酵素はタンパク質や糖分などを分解する物質です。

たとえば生味噌には麹菌が作り出した酵素がたくさん含まれており、大豆はそれらの酵素で分解され吸収しやすい状態になっています。

納豆も納豆菌が大豆のたんぱく質を分解し、

このように発酵食品は、菌が生み出した酵素によってすでに吸収しやすい形に分解されているため、体への負担が少ない食べ物であり、栄養素をしっかりと吸収できる食べ物と言えます。

良いこと③:副産物が豊富

菌は酵素以外に、様々なものもを生み出してくれます。

味噌では、大豆と米が菌により分解されてコクや旨味など独特の味を生み出します。このような味の変化以外にも、人間の体の健康に良い影響を与える物質を生み出す菌もいます。

いくつか例を挙げます。

ビタミン類、ナットウキナーゼ(納豆)

たとえば納豆に含まれる納豆菌は、ビタミンKや葉酸、ナットウキナーゼを作り出します。

ビタミンKは骨を上部にし、ナットウキナーゼは血栓を分解し血液をサラサラにしてくれます。なおビタミンKは西洋薬のワルファリンの効果を減弱させる可能性があるため併用に注意が必要です。

納豆は、納豆菌が腸内でビタミンKを産生するため、含有量以上の多くのビタミンKをとることができます。
 納豆の一人あたりの消費量が多い県ほど、大腿骨頸部骨折(股関節近くの骨折)の頻度が低い傾向がある、という調査報告があります。

西埼玉中央病院より

イソフラボン(味噌、納豆など)

大豆にはイソフラボンが含まれ、血中の悪玉コレステロールを減らしたり、女性の乳がんのリスクを下げたりする作用があると言われています。

発酵の過程でイソフラボンは体に吸収されやすい形になります。

抗酸化物質(味噌、ワインなど)

発酵食品には優れた抗酸化作用があります。

抗酸化物質であるカロテン、ポリフェノール、フラボノイドなどが発酵食品では活性化され、老化防止につながります。

抗ストレス物質(味噌、納豆、甘酒、酢など)

抗ストレス作用があるGABA(ギャバ)はアミノ酸の一種で、脳の興奮を抑えてリラックス効果をもたらすとされています。

まとめ

発酵食品の良い点
  • 生きた善玉菌を摂取でき、善玉菌により便通や免疫の調整などをしてくれる
  • 消化吸収しやすい形になっており、人間にとって負担が少ない一方、栄養をしっかり取れる
  • 発酵の過程で生み出された副産物が健康に貢献

発酵食品すごい…

参考書籍

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